K-POP、韓国映画に続き、最後に残った“壁”も越えた。
【画像】『イカゲーム』女優の“激ヤセ姿”に心配の声
韓国が制作したNetflixオリジナルシリーズ『イカゲーム』が、アメリカ放送界で最高権威を誇るエミー賞の授賞式で監督賞と主演男優賞を受賞した。
ドラマ『イカゲーム』のファン・ドンヒョク監督と俳優イ・ジョンジェは9月13日(日本時間)、米ロサンゼルスのマイクロソフト・シアターで開かれた第74回エミー賞授賞式で、それぞれ監督賞と主演男優賞のトロフィーを獲得した。
K-POP、韓国映画に続き“グランドスラム”
1949年に発足されたエミー賞は、アメリカ放送界の最高権威を誇る授賞式で、「テレビ分野のアカデミー賞」と呼ばれる。
韓国俳優はもちろん、アジア俳優、さらに非英語圏の俳優がエミー賞の授賞式で監督賞と主演男優賞を受賞したのは、ファン・ドンヒョク監督とイ・ジョンジェが初めてだ。
先立って『イカゲーム』は、9月4日(現地時間)に進行された制作・スタッフ部門の授賞式である「クリエイティブ・アート・エミー賞」授賞式で、女優イ・ユミがゲスト女優賞を受賞したことをはじめ、舞台美術、特殊効果、スタントの4部門を受賞した。監督賞と主演男優賞を含めると、計6冠の快挙だ。
作品賞こそ、強力なライバルだった『メディア王~華麗なる一族~』(HBO)に譲ったが、74年というエミー賞の歴史上で初めて非英語圏コンテンツが成し遂げた成果という点で、意味が格別だ。
(写真提供=ロイター/アフロ)『イカゲーム』キャストと監督
特に米ビルボード、アメリカン・ミュージック・アワードを席巻したBTS(防弾少年団)の成果や、ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』、映画『ミナリ』の女優ユン・ヨジョンのアカデミー賞受賞と肩を並べるほどの結果だ。
韓国ドラマは2002年の『冬のソナタ』、2003年の『宮廷女官チャングムの誓い』を通じてアジア一帯を席巻して韓流ブームを巻き起こしたが、K-POP、韓国映画とは違い、北米進出は遅かった。
しかしOTT(オンライン動画サービス)の発展と共に、『イカゲーム』に触発された「Kドラマ」がエミー賞を席巻し、韓国エンターテインメントコンテンツが事実上の“グランドスラム”を成し遂げたという評価だ。
イ・ジョンジェ
大衆文化評論家のキム・ソンスは、「韓国コンテンツはNetflixのTVショー部門でアメリカに次いで2位を占めている。大衆性と作品性をいずれも確保し、事実上、北米市場の主流に浮上した」と述べた。
また別の大衆文化評論家のチョン・ドクヒョンも、「韓国コンテンツの最後の砦であったエミー賞を受賞したということは、西欧社会に限定されたコンテンツ市場がグローバル化されたという意味」とし、「『イカゲーム』シーズン2はもちろん、その他の韓国コンテンツにも肯定的な影響を及ぼすだろう」と展望した。
2021年9月17日に公開された『イカゲーム』は、賞金456億ウォン(約45億6000万円)をめぐって命懸けのゲームに参加したどん底の人物たちの物語を描いた作品だ。公開後、46日連続で世界1位を記録し、全世界に熱風を巻き起こした。
これはNetflix史上、最長期間となる1位の記録だ。現在、Netflixで公開されたテレビショーのなかで累計視聴時間2位(22億8950万時間)を記録している。
ファン・ドンヒョク監督は受賞の感想として「人々が私に新しい歴史を作ったと言ってくれるが、違う。この扉を開いてくれた皆さん、私たち皆が一緒に歴史を作った。今回の受賞が非英語圏の最後の賞でないことを願う」とし、「まもなくシーズン2で再び戻ってくる」と話して来シーズンに対する期待感を加えた。