国内外から多くの観光客が訪れ、連日喧騒に包まれる由布院温泉と同じ湯布院町にありながら花合野川(かごのがわ)沿いにひっそりとたたずむ湯平(ゆのひら)温泉郷。その入り口に建つのが、客室6室の小さな家族経営の宿「清流とほたるの宿 高尾荘」です。
玄関の引き戸を開けると、旅館に来たというよりもおばあちゃんの家を訪ねたような雰囲気にいきなり包まれます。それもそのはず、昭和39年(1964年)に現在のオーナーの祖母が始めた旅館で、昭和レトロな雰囲気が漂う空間になっています。
写真は6畳の部屋です。館内は昭和の雰囲気が漂っていますが、部屋はリニューアルされ、洗浄機付きトイレや洗面所が設置されています。無料Wi-Fi接続も完備されていて便利。
部屋からは花合野川を見下ろせます。急峻な坂にあるため流れが速い川ですが、ちょうどこの場所に堰が設けられていて流れが緩くなっています。そのため5月~6月にかけて蛍が舞い、大分県内の蛍鑑賞の穴場になっています。雪景色や新緑、紅葉と移り変わる景色を部屋から見ることができますが、「ほたるの宿」とあるように都会ではなかなか見ることもない、蛍が舞う季節に宿泊するのもおススメです。
高尾荘は小さな旅館なので大浴場がありません。そのため露天風呂(岩風呂)と内湯(檜風呂)の2つのどちらかを、予約制で1回30分貸切利用することになっています。露天風呂は半露天になっていて跳ね上げ窓からは花合野川が見られ、季節なら蛍鑑賞もできます。お湯につかりながら川のせせらぎを聞く、至福の時間を過ごしてはいかがでしょうか。
※写真は取材時のものです。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
(文:肥後 球磨門)