「ほんの数日で現実が大きく変わりました。街を出て、たくさんの戦車を見て、みんなショックを受けた。精神的にとても辛かった」と口にしたビロディドは、初めの10日間はウクライナ西部にあるウジホロドの避難所で食事や衣類の提供を行なっていたことを明かした。「5日目くらいから、もうここにはいられないと思うようになりました。体が動かず、鬱のような状態でした。だけど動く必要があった。それが柔道の精神なので」と振り返る。
その後、母と祖母を連れて3400キロ離れたスペインへ避難した柔道家は、「この国の人々は、私と家族にとって素晴らしい場所です」と感謝したうえで、「これまでの生活圏から離れることは本当に辛いけど、これが大きな教訓になりました。常に計画性をもって行動していたけど、今では一瞬にしてすべてを失う可能性があると知りました」と悲しげに語る。
「今は家族を守りたい。写真では伝わらないけど、すべてが破壊されている。でも、まだ得るものもある」と力強く前を向く彼女は、「これまでの生活、家、すべてを取り戻したい。そして、食料支援や健康支援であれ、苦しんでいる人たちを助けたい。自由が欲しい!」と訴えた。
構成●THE DIGEST編集部