雨が強くなったり弱くなったりと移ろうなかでも、攻撃の手は最後まで止まらなかった。
令和5年関東高校サッカー大会埼玉予選の準決勝が4月26日に行われ、武南と浦和東が対戦。武南が3-0で勝利し、決勝進出と関東大会出場を決めた。
令和4年度埼玉新人戦(新人選手権大会)優勝校で、4大会連続の関東大会出場を目指す武南は、狭山ヶ丘との2回戦(初戦)を1-0で制すと、準々決勝では本庄東を5-1で下して準決勝に駒を進めていた。
一方、令和元年度以来の関東大会出場を狙った浦和東は、初戦の1回戦で川越東を1-0で、2回戦で浦和学院を1-0で破り、準々決勝では細田学園を1-1で迎えたPK戦の末に撃破。公立校として唯一の4強入りを果たしていた。
序盤から攻め立てたのは武南。MF10松原史季(3年)のテクニックやFW9戸上和貴(3年)の抜け出しを活かして攻撃を展開していく。
15分には右SBのDF15山崎元就(3年)のクロスに合わせて戸上がポスト直撃のヘディング弾を見舞う。
23分には左サイドのクロスからMF11高橋俊祐(3年)が際どいシュートを放った。
先制点が生まれたのは28分。敵陣中央で松原がダイレクトヒールパスを相手DF陣の背後に送り込むと、これに合わせて抜け出したMF7川上旺祐(3年)は、飛び出してきたGKの上を通すループシュートでゴールネットを揺らした。
浦和東には14分にカウンターでゴールに迫られた以外はほとんどチャンスを作らせず、前半はハーフコートゲームと言える内容だった。
1点リードで迎えた後半立ち上がりも武南は相手を押し込んでいく。
48分には戸上が、55分にはMF8髙橋秀太(3年)がミドルシュートで浦和東ゴールを脅かした。
60分以降はなんとか同点弾を狙う浦和東にゴールに立て続けに迫られるシーンはあったが、フィニッシュまでは持ち込ませず凌いでいく。
すると77分に左サイドからボールを受けた戸上がボレーシュートでゴール右を撃ち抜く。武南が突き放した。
さらに終了間際の80+1分にはFW18文元一稀(3年)のゴールで3点目をゲット。3-0で勝利し、関東大会への切符を手にした。
武南の内野慎一郎監督は「最初は自分たちでリズムを作れないところがあったが、終盤に良い雰囲気に持っていけた」と振り返り、関東大会に向けて「やっぱりインターハイと選手権が目標ですが、ここは良い経験にして大切に戦って、チームの力にしていきたいなと思いますね。埼玉県代表になるので、一生懸命やりたいです」と意気込んだ。
一方、敗れた浦和東は押され気味でゲームを進め、最後までゴールを割ることはできなかったが、DF10小山紘輝(3年)のロングスローなどから武南に脅威を与えていた。そして約950人の全校生徒が駆け付けた応援には迫力があった。
浦和東の平尾信之監督は「後半に勝負をかけにいってゴールに迫ったシーンもあったが、決め切れずに2点、3点ととられてしまった。まだすごく力の差を感じました」と振り返った。
(文=多田哲平、写真=古部亮)
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