天ヶ瀬温泉は、奈良時代に書かれた「豊後国風土記」にも載っている、指折りの由緒ある古湯。その中でも「浮羽」は、独自の源泉を持ち、またその温泉の質も良く、地場産食材を使った食事もおいしいというオトクなお宿なのです。
大浴場は、翌朝男女入れ替えになります。内湯1つと露天風呂が2つ。源泉温度が高いため、山奥で湧く岩清水を加水して適温にしていますが、湯の個性はしっかり。無色透明で、焦げたような香ばしいにおいが特徴です。
するするとした肌ざわりでありつつも、少しひっかかるような感触も。余分な角質や皮脂汚れをオフしてくれ、かつ保湿してくれる一石二鳥の泉質なので、皮膚乾燥症の改善に期待ができます。保温力も高く、身体の芯までじんわりと温まるので冷え性や末梢循環障害にも効果的。
食事は、朝夕ともに食事処で。掘りごたつ式なので正座の必要もなく、ゆっくり食事を楽しめます。テーブルには炭火焼きのコンロがついていて、近くを流れる玖珠川(くすがわ)の清流でとれた鮎など川魚を自分たちで焼いてたべるという楽しみも。他にも、豊後牛や山菜など、天ヶ瀬でとれる旬の食材を豊富に使った郷土料理を味わうことができます。
ロビーのエレベーター前では、温泉水を飲めるちょっとしたコーナーも。陶磁器の美しい入れ物のコックをひねると温泉水がでてきます。すこしの塩味とわずかな玉子の腐った匂いがしますが、口当たりがよく飲みやすいです。萎縮性胃炎や便秘改善の効果が期待できるので、これらの症状に心当たりのある方はぜひ飲んでくださいね。でも飲みすぎには注意ですよ。
※写真は取材時のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。
(文:菊原 朝香)