フランシスコ・ザビエルの皮膚も展示「大分トラピスト修道院」 | 大分
大分県を代表する観光地、湯布院と別府の間に広がる別府湾を見下ろす丘の上に建つ「大分トラピスト修道院」。国道500号線から脇道に入ってしばらくすると白い教会が見えてきます。
「トラピスト修道院」といえば北海道函館近郊の「灯台の聖母トラピスト修道院」が有名ですが、その修道院から7名の修道士が派遣されて1980年7月11日に設立された、日本で二番目のトラピスト男子修道院です。
別府湾が一望でき、晴れた日には四国まで見渡すことができるほど開放的な場所に建てられた修道院では、修道士たちがイエス・キリストの弟子として、全ての人々の救いと平和のために祈りながら働き、働きながら祈る、俗世から離れた生活を送っています。
別府湾を背に建つマリア像を見上げると、その優しい表情に心が安らいでいくのを感じます。
教会の中を見学することはできませんが、立ち入りができる敷地内には修道士の墓が並んでいます。キリストの弟子として祈りの生涯を終えた修道士たちが眠る場所を目にすると、厳かな気持ちになります。
資料室では修道院生活の紹介ほか、禁教時代のキリシタン遺物や聖遺物などが展示され自由に見学することができます。
写真は日本にキリスト教を伝導したフランシスコ・ザビエルの右腕の皮膚の一部で、ローマ、ジェズ教会に保管されているザビエルの遺物箱を新調した際に取り出された小片です。修道院の建つ日出町は、フランシスコ・ザビエルが到着した地として知られ、長崎と同様、日本のキリスト教の歴史上で重要な地であることから、イエズス会より寄贈されました。
クッキー工場を窓越しに見学することができます。製造機械は北海道のトラピスト修道院から移設されたものです。北海道では見ることができない作業風景を、タイミングが合えば見学することができます。
独特の模様が刻まれた「トラピストクッキー」は売店で買うことができます。大分トラピスト修道院製造のクッキーは、純粋なバターと厳選された材料を使い、修道院伝統のトンネル釜でじっくりと焼き上げられていて、全国観光土産品連盟会長努力賞を受賞しました。
※最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
(文:肥後 球磨門)