小麦とワインというフランス食文化とは異なり、ソバ粉とリンゴが主食のフランス北西にあるブルターニュ地方には、カフェの数より多いクレープリー(クレープ専門店)があります。
そんなクレープリーの中で、ソバ粉のガレットを提供する日本初のクレープリーが新宿区神楽坂にある「ル・ブルターニュ神楽坂店」。
パリに本店のある「ル・ブルターニュ」が世界第一号店としてこの神楽坂を選んだのは、この神楽坂の地に旧東京日仏学院(現・アンスティチュ・フランセ東京)があることと、神楽坂の石畳風情がフランス・モンパルナスと似ていたことです。
「とりあえずのビール」よりも、ここはやはりワインで雰囲気を盛り上げたいところ。さまざまな種類が取り揃えられたワインは、ワイン通でも十分楽しめます。
フレンチでワインを楽しむのも良いのですが、ここはやはりブルゴーニュの香り「シードル」ははずせません。
ブルターニュの農家では、必ずシードル専用品種のリンゴの木が植えられ、自家用に醸造された微発泡酒「シードル」が飲まれているほどのポピュラーなものです。そしてこのシードルはカップかボウルで呑むのが普通で、陶器の器で呑むシードルは、その甘さと風情でつい飲みすぎてしまいますのでご用心ください。
今や知らない人はいないくらい有名なクレープ。実はこのクレープは、パンケーキの一種で、ブルターニュ発祥の料理です。元になったのが薄いパンケーキのガレットで、クレープの素材が小麦粉であるのと違い、ガレットの原料はそば粉です。
ガレットの美味しさは多彩です。大別すると定番系のクラシックと創作系のスペシャリテがあり、種類が多いので迷ってしまいます。そんな時はスタッフにおススメを聞くのも良いでしょう。
デザートは、やはり小麦粉のガレット=クレープです。こちらも種類が多く、スイーツ好きには勿論のこと辛党にも楽しめる上品さです。
※写真は取材時のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。
(文:Naoyuki 金井)